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パパはわるものチャンピオンのはのレビュー・感想・評価

4.6
あらすじ
怪我の影響でかつての動きを失い、ヒールのマスクマンの立場に甘んじる過去の人気レスラー。
それを知った息子は、父が卑怯な戦い方で馬鹿にされていることを知り嫌がる。

感想
現在の日本に見えて、プロレス人気は昭和のまま根強く、人々のプロレスを見る目も純粋という世界観。
大人も子供も悪役は悪役と信じ込んでいて、試合も全て真剣勝負で行われているっぽい。
盛り上がるパフォーマンスをしても、それが社長の意見と違えばクビになったり。

現代ならば誰もが知ってしまっている「プロレスの設定」を、そのまま現実に持ち込んだような内容で違和感ありまくり。
「レスラー」のように、もっと現実に即した描き方の方が良かったのでは?
と、一歩引いた目線で観続けてしまった。

…最後の試合、登場したお父さんの姿のあまりのカッコ良さに泣かされるまでは。

なるほど、それまでの違和感全部、この作品の「パフォーマンス」なのね。
自分は冷静なつもりでいながら、まんまとそれに乗せられ、最後の試合を熱く盛り上げる為の準備に、心理的に協力させられていたのね。
素晴らしい構成だわ。

プロレスラーの見せたい強さとは、みたいな部分にまで、話の仕掛けがしっかりリンクしていて、作品自体がプロレスだった。
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