碧

バッド・ジーニアス 危険な天才たちの碧のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

(すみません、大幅に書き直したので投稿し直します)

キャラクターや展開の面白さには惹きつけられるけれど、オチのつけ方に納得がいかなくて悶々としています。

物語の最初の頃に描かれる、グレースのリンへの優しさは打算ではないと思うし、リンとグレースの間の友情は、確かに存在していたと思う。

ラストのリンのSTICテストに関する証言は、どのような内容のものだったのだろうか。

グレースに何の相談も知らせもなく、一人で勝手に全部を告白してしまったのなら、情がなさすぎる気がするし、それはそれで、教育者を目指す人間にふさわしい行為だとはいえないのではないかと思う。

それとも、リンの証言は自分のしたことについてのみで、共犯者については伏せることができたのだろうか。

私は、リンがカンニングビジネスをやめたのは、バンクが捕まってしまったことが大きいと感じていた。
友人を助けたい気持ちや、体制への反発心からやっていたつもりが、結果的には自分が大切に思う人を不幸にしてしまうことになるのだと気づき、足を洗うことに決めたのだと思った。

バンクと撮った写真を削除する場面や、捕まったバンクと交わした視線などにそれらが描かれていたと思うので、その部分をもっと大事に着地させれば、よりリンの成長が描けたのではないかなあ…。

リン以外(グレース、パット、バンク)のその後が描かれなかったことで、物語が若干尻切れとんぼになってしまった気がする。
(バンクは、リンに断られたことでカンニングビジネスは諦め、クリーニングで大儲けする経営手腕を発揮したかもしれないし、逆に一人でどんどん悪事のドツボにはまっていったかもしれない)

リンが行いを改めるのではなく、映画の最初のインタビューのノリのまま、巧妙な手口で世間を欺き成り上がっていくというピカレスクものであったとしても、それはそれでありだと思うんだけど。

キャラクターが魅力的で、この映画にはすっかりハマってしまったのですが、それ故に、納得いかない点について、しつこく考えてしまうのでした。
碧