赤足

ザ・シークレットマンの赤足のレビュー・感想・評価

ザ・シークレットマン(2017年製作の映画)
3.6
ペンタゴン・ペーパーズと同様に現トランプ政権への警告とも取られる内容となっていた為か?ほぼ、同時期に公開された作品で時系列的に

「ペンタゴンペーパーズ/最高機密文書」

「大統領の陰謀」
「ザ・シークレットマン」

"ペンタゴン・ペーパーズ"と"大統領の陰謀"では、ワシントンポストの記者視点からであったが、本作は当時のFBI機関側の副長官マーク・フェルトの視点からウォーターゲート事件を描いた作品であり、尚且つ米国の歴史上はじめて大統領の任期を途中で辞任する事態にまでに追い込んだ、最大の功労者的存在であり長年謎とされていた影の黒幕こと密告者の「ディープ・スロート」の正体が誰であったかも描かれている部分も興味深く!"大統領の陰謀"を事前に見ておくとより一層、理解しやすいと思われる。

しかし内容や設定等はそこまで難解では無いため"ペンタゴン・ペーパーズ、大統領の陰謀"とは違った毛色とテイストになっているので、これまた一味違った面白さが堪能できる。

本来独立機関である筈のFBIがこの当時に政府とどの様な癒着があり、FBIの長官であったフーバー長官が謎の死を遂げたり政府内部からの圧力によってコントロールされ、身動きが取れない状態からどうやって、ニクソン大統領を辞任まで追い込んだかの展開はスリリングで緊迫感もあり、手に汗握るものであった!

政権の圧力により潰されそうになりながらもFBIという組織をどうにか守ろうと葛藤し、奮闘する、主人公マーク・フェルトを演じたリーアム・ニーソンの演技は素晴らしく、彼の行った行動は決して本来ならば許される行為でないにしろ、その行動の本当の意味、真意を知った際には何が正義で何が真実であるのかという、人間本来の意味や姿を教えてくれるかのようで、ひしひしと伝わって来るものを感じた。

"ディープ・スロート"という存在。そして、ラストテロップで語られたその後の真実は切ない乍にも、もし彼マーク・フェルトという人物が存在していなかったら今の米国という国はどうなっていたのか?そして、自国の日本の政治等も改めて考え見詰め直したくなるような作品である。
赤足

赤足