「ともだち」観了。
74年の日活による児童映画。
離村して岩手から川崎に越してきたが、喘息を患ってしまった上に、友達から仲間はずれにされてしまった少女。サッカー選手を夢みるガキ大将の腕白少年。やがて2人は少しずつ友情を育んでゆくが、最後に悲劇が…。
実に純粋で実に感動的な作品。終盤は泣きっぱなし。
また、「太陽にほえろ」直後の松田優作が出演とか、正式デビュー以前の原田美枝子の実質デビュー作だとか、公害や土埃の町など70年代テイストが充満だとか、Gパンと長さんが共演している(同一シーンの登場は無いが)とか、ストーリー以外にも見どころはいっぱいある。
そんな中、光っているのは子役。
今の子役に比べると演技は下手だが、なんというか演技を超えた説得力がある。74年当時に見たらどう思うかわからないが、今の視点から見ると、“噴出する高度成長経済のツケに巻き込まれながらも元気に生きていた70年代の子ども”のリアリティーがある。
松田優作にしろ原田美枝子にしろ子役にしろ、演技力とかそんなものを超えたところにこの作品の魅力はある。