30年後の同窓会のロクのレビュー・感想・評価

訳ありの過去を捨てて牧師になったミューラーと酒ばかり飲んでいるバーの店主サルというベトナム戦争を共に戦った元海兵隊隊員２人の前に３０年ぶりにベトナム戦争時代の戦友であるドクが姿を現す。ドクは突然の再会に驚く彼らに１年前に乳がんで妻を失った上に２日前に海兵隊員としてイラク戦争に従軍していた１人息子が戦死したとの連絡を受けたと話し息子の亡きがらを故郷に連れ帰る旅に同行してほしいと頼み込む。事情を聞き同情した２人はドクと共にノーフォークからポーツマスへと彼の息子を埋葬するための旅に出発するが．．．妻に続き息子を亡くしたドクにとっては結構辛くて悲しい旅なんだけれど飲んだくれで下品な下ネタばっかり言っていつまで経っても若いと思っているサルとサルに対していい加減大人になれと事あるごとに説教しまくる元暴れん坊だった神父のミューラーが漫才のような掛け合いで終始笑わせてくれるためドクも観客もいつの間にか笑っている中年版スタンド・バイ・ミーというのは言い得て妙な滋味深いロード・ムービーで良かった。ラストは中途半端と感じる人もいるかもしれないけど自分は３人で続けてきた旅の終わりを締めるのに相応しい余韻の残る終わり方だったと思います。