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大頭脳のArataのレビュー・感想・評価

大頭脳(1968年製作の映画)
4.3
一つ前に鑑賞の、「モンテーニュ通りのカフェ」の監督を調べたところ、こちらの作品に脚本で参加しているとの事で鑑賞。
この作品の監督の義理の姪っ子さんなのだそうだ。



【あらすじ】
NATOの引越しで大金の盗み出そうと企てる天下の大泥棒“ブレイン”と、妹の事やメンツを保つ為などの理由からそれを横取りしようとするマフィアがブレイン一味を追いかけ、その横で魅力的でロマンチックなハンチク野郎がうろちょろし、最終的にそれら全てを警察が追いかける。

やったり取ったりと、ドタバタコメディ要素もあり、話がどんどんもつれて行く。抱腹絶倒の展開に、目が離せない。
ウィットやエスプリに溢れたラストも秀逸。


【感想など】
ジャンポールベルモンド氏、デビッドニーブン氏、ブールヴィル氏、イーライウォラック氏と、豪華なキャスト陣が、まるで漫画やアニメかと思う様なコミカルな仕掛け、声を出して笑ってしまう程可笑しな描写が沢山あって、最高に面白い。



【お酒】
ブレインとマフィアが、プールで飲むシャンパン。
アルトゥールがベンチでラッパ飲みする赤ワイン。


ベンチでのお酒の詳細が不明なので、ここではシャンパンのみ言及する。

簡易テーブルの着いた移動可能な座椅子型の浮き輪の上で、クープ型のグラスで飲んでいるのがそれ。
グラスの形状の歴史変遷について、今回は割愛させていただくが、この映画の時代には主流だった形状。
シャンパンタワーと言う豪遊のアイコンの様なものは、この形のグラスを使用する事がほとんど。
底が浅く、あごを上げずに飲めるので、優雅に見える事や、首のしわを見せずに飲めるので年齢を気にしている方などに重宝される。

有名なところでは、007の主人公ジェームズボンドが、カジノロワイヤルと言う作品の中で特別に注文する“ヴェスパーマティーニ”が、「底の深いシャンパングラス」と、わざわざ指定していると言ったものがある。
これは、この当時シャンパングラスと言えば、ここにも登場する底の浅いものが主流だからでもあり、勢いを演出したい場面だからと言う理由も相まって、あごをぐっとあげる飲み方を演出出来る底の深いグラスを指定するのだと考えられる。

話がそれたが、ここでは優雅さを表すとともに、水上で不安定な状態なので、比較的安定するこのグラスが選ばれているとも言える。

ここのシーンでもそうだが、優雅なだけでは終わらず、大胆なコメディ演出へと繋がるあたりが、個人的には大変好み。
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