クリムゾンキング

切り裂き魔ゴーレムのクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

時は19世紀末、ヴィクトリア朝時代のイギリス。
ライムハウスのゴーレムという名の猟奇殺人鬼が巷を賑わせていた、、、

と、どことなく切り裂きジャックを思わせる設定。

実際、殺人描写なども、それを彷彿とさせるもの(直接的には映らないが、処理後、という形で数コマ映る)なのだが、どうやら同名小説の映画化なようで。

とにかく19世紀末の退廃的な雰囲気漂うロンドンの街並みと、フロックコートにアスコットタイというレトロなスタイルが抜群にマッチしていて良い。

謎解き面はそれほど色濃くは無いが、陰鬱な情景描写やオリヴィア・クックの愛らしさ、ビル・ナイのイケおじ具合が抜群で見入ってしまう。

最後の「毒殺魔」に対しての「そんな小物じゃないわ」というセリフも、女性の社会自立等がまだ認められていなかった時代ゆえの歪んだ承認欲求、成功への渇望と捉えると、ちょっと悲しくなってしまう。

だからこそ、最後の喝采を受けての笑みが、時代が違えば違うように昇華できたのに、と思わずにはいられなかった。