映画武士道

切り裂き魔ゴーレムの映画武士道のネタバレレビュー・内容・結末

切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

いや~面白い!
この作品は素晴らしいですね。
最後の20分間が面白いというコメントがありますが私は最後の5分間のためにある映画作品だと思っています。
私なんかのレビューをネタバレつけたら誰も読まない気がするのでできたらつけたくないんですが・・・
今回は最後の5分が楽しいのでその楽しさを伝えるためにほんと~に、やむなくつけて書いてます。

そこまでの流れは退屈そのもの。
あ~見なけりゃ良かった~という気持ちを抑えながら見る必要があります。
ただし全く無価値な映像ではなくそこまでの流れはビクトリア朝時代の生活を忠実に再現した歴史映像みたいな価値は認められる。

主人公はロンドン警視庁の警部補。
ロンドンで起きた切り裂きジャック事件が元になったストーリーです。
謎の切り裂き魔の連続殺人事件が発生。
その犯人の名はゴーレム。
その犯人を追うことになるのは殺人事件の担当は今回が初めてという主人公。かなり頼りなげです。でも切れ者で頭が良さそう。
図書館に残された犯人のものと思しき本の書き込みを元に複数の容疑者を追っていく主人公。
容疑者を一人一人訊問して問い詰めていくのですがそのあたりは非常につまらない。
主人公の警部補が犯人を追うのと並行して同時期に起こった夫殺しの容疑者となっている女性と主人公の警部補は知り合う。(その死んだ夫が連続殺人事件の容疑者の一人だったため)
その女性は元は女優したり劇作家をしたりしてた当時の演劇界では有名人だったらしい。
その女性に入れ込む警部補、その女性の無実を晴らす!と一生懸命。このあたりも捜査として私情挟みまくってどうなのよ・・・とちょっとどんびきしながら見ていました。完全にその女性が無実という偏見を持ってそれを証明するために証拠を集める感じになっていきます。実際の事件で捜査が失敗して迷宮入りするか冤罪を生む定番コースです。
彼女を無実にするために捜査しているのですか?あなたの担当は連続殺人犯の捜査でしょ?と部下にまで言われる始末。

そんな中彼女の裁判がついに結審し絞首刑が決定します。
その実行の日の朝、ついに警部補は死んだ彼女の夫の書いた脚本と連続殺人犯が本に残した書き込みの筆跡が一致することを見つけます。
これで彼女を死刑ではなく減刑できる!と喜ぶ警部補。(連続殺人犯の夫を止めるためにやむなく殺したというシナリオで減刑できると警部補は考えていた模様)
その証言を文章にして書いて欲しいと言ったとき彼女が書いた手紙の筆跡はなんと、本に残された犯人の筆跡と同じだった・・・つまり連続殺人犯は彼女だった。夫も含めて全部彼女が殺していた・・・。
(つまり夫が書いたという脚本は彼女が実は書いたもの。)

いや~ここで終わっていたらゴミ作品かな~って思いました。
トリックもほぼないと言っていいし、推理もないですからね。
警部補の捜査と言っても残された本の書き込みと一致する証拠を探して筆跡を一致させるだけ。まあ単純作業と言えば単純作業。なんかおもろない。
見ていて犯人もだいたい彼女が怪しいってやっぱ思いますよ。
殺された被害者の多くは彼女にとって不都合な人間や嫌なことをされた人間。それ以外の無関係の人も殺しまくってるけど。

で、ここからが本番と言っていい。
ラスト5分。彼女は連続殺人犯として処刑された後。主人公の警部補は彼女の事件を舞台化した演劇を劇場に見に行くシーンで終わる。
そのシーンで処刑された彼女役を演じるのは処刑された彼女のライバルで嫌がらせをしていたライバルの女優。
その女優が絞首台にかけられるシーン。本来なら安全装置みたいなのがあるらしいのですが、、、なんとその女優は本当に死亡します。
この最後の殺人は処刑された自分の名前を歴史に刻みたいと言っていた彼女が残していった最後の仕掛けだったのか?(処刑された彼女は舞台関係者なので仕掛けに細工できるかも)
それとも処刑された彼女の師匠で友人でもあった劇作家兼俳優の仕業なのか?
(弟子の処刑された彼女の事件の舞台化にも参加していたので仕掛けることが可能。そうなると連続殺人は実は師匠と処刑された彼女との共同作業の可能性。)
よくわからないまま作品は終わっていきます。
このもやもや感たまらないですね~。まさに真実はロンドンの霧の中に消えていく感じ・・・。
このラスト5分のためにある映画です。ぜひともご覧になる人は途中のだるい~展開を我慢して最後まで見てください。
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