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はじめてのおもてなしのKaZuiのレビュー・感想・評価

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
3.7
💬ドイツには、2015年以降の1年間で約80万人の難民が入ってきた。これは、人口の約1%にあたる。そんなドイツで2016年に制作され、2017年のドイツ・アカデミー賞の観客賞を受賞した、難民の青年を受け入れた裕福な一家の物語だ。この映画では、難民を受け入れる国の人々の視点から難民問題について描いている。いちばん身近にいながら、お互いを理解できずにバラバラになっていたハートマン家の人々。文化、習慣、宗教、価値観の違う難民の青年との交流は、ハートマン家の人々の凝り固まった考えを変え、人生を見つめ直すことに繋がった。その結果として、生きる喜びを取り戻すこととなる。難民を受け入れたことによる利点が描かれる一方で、夜に女性に声をかける素行の悪い複数の男性を見て、実際にそうであるかに関わらず、難民だと決めつけて非難する描写もある。難民を積極的に受け入れるドイツにおいて、難民を受け入れたことによって広がった社会的不安から難民全体を差別する人間は少なからず存在する。しかし、国の垣根を越えて彼らを尊重し、援助しようとする人もいる。コメディタッチで難民を受け入れた家族の再生を描き、実際に数多くの難民を受け入れているドイツで支持された映画だからこそ、難民問題を知り、考える上で有用な1本だといえる。

初鑑賞:2019年10月7日
鑑賞方法:動画配信サービス(Netflix)
2019年258本目。
10月5本目。

🗣難民とか抜きにコメディとして、面白かったです。難しいテーマながらコメディ調で重たくないので、難民問題について考えるきっかけになりうると思います。
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