通りすがりのアランスミシー

もう走りたくないの通りすがりのアランスミシーのレビュー・感想・評価

もう走りたくない(2017年製作の映画)
3.9
山下敦弘の初期作品のようなオフビートな味わいのインディーズ映画。
日大芸術学部の卒業制作だったらしいが、フィルム撮り全編ロケ撮影という野心的な作りで、ロケーションを活かしたロングショット主流の構成、デジタル主流の現代では珍しい16㎜フィルムを使った独特の質感の映像が素晴らしい。
特に何も起きない話なので脚本に美点を見出すことは出来ないが、監督のやりたいことは明確に伝わってくるし殆どの点でビジョンが実現できていると思う。
人物ばかりの狭くて主観的な映画が大半のインディーズにおいていい意味でインディーズらしくなく、それでいてインディーズらしいオフビートな味わいもある良作。