山崎努、樹木希林など実力派俳優を擁した
期待の沖田修一監督の映画。
まず撮り方が最高!
巨匠高畑勲監督の『かぐや姫の物語』を彷彿とさせる虫たちのショット。あれはアニメだから…いや、ジブリだから成立するショットだと思っていたが、それを映画で成立させた恐るべき手腕。
また、前述の通り実力派俳優の演技と沖田監督の演出が合わさり、小さな物語で成立してしまう世界観。流石です!
しかし…しかし、どうした沖田修一よ。
なぜ、しょーもない笑いを入れる?
なぜ、謎の妖精?を出す?
あなたの描きたかったのは、そんな小物な物語なのか。
いや、ああいう演出はなしとは言ってない。しかし、この作品で積み上げてきたものを壊し、監督のセンスも疑ってしまう。
監督の作家性が好きなだけに、勿体ない。本当に勿体ない作品だった。