すずき

追龍のすずきのレビュー・感想・評価

追龍(2017年製作の映画)
3.5
60年代、英国統治時代の香港。
野心に燃える若者シーホウは、妻と子供を本国に残し、弟と共に香港に不法入国して活躍のチャンスを狙っていた。
ある日、シーホウの喧嘩の強さを目にした汚職警官ロックは、彼を気に入った。
英国人警官にボコボコに殴られていたシーホウを助けたロック。
2人は義兄弟となり、表と裏で香港黒社会のトップを獲る事を誓う…

アンディ・ラウが汚職警官、ドニー・イェンがヤクザを演じた、実話を基にした香港ノワール作品。
ドニー・イェンとニコラス・ツェーが共演した、「レイジング・ファイア」みたいに善と悪の2人のバトルかと思ってたけど、
暗黒街の友情モノなのね。
途中考え方の違いとかで対立する事はあるけれど、基本的に2人はリスペクトし合う関係。
カンフー映画ではなく、あくまで実録ヤクザ映画なので、アクションには期待しない方が良い。

ストーリーは結構重厚。
いくつもの人たちの思惑が絡み合う複雑な関係だけど、案外わかりやすい語り口なのが嬉しい。
しかしカットがやや忙しない所もあり、たぶん本来2時間半ぐらいあったのを、結構編集でカットしたのでは?と思った。
設定が唐突に語られるので、エモさが足りない所も。

クライマックスは「スカーフェイス」さながら、ドニー・イェンのヤケクソ大立ち回りとブチギレ顔芸が楽しめる。
そしてエンド後のエピローグが描かれるのも嬉しい。
終わり方があっさりし過ぎてて、エピローグが欲しい作品って結構あるので。