稀

ミクロの決死圏の稀のレビュー・感想・評価

ミクロの決死圏(1966年製作の映画)
2.0
人間が小さくなって体内に入る話。

小さくなった時のスケール感が伝わってきて、制作年を鑑みるとかなり先進的な映画だったとは思う。とはいえ映像、展開ともに古びてしまって現代で楽しむのは正直厳しかった。
全体的に間延びしていて体内に入るまで40分かかった。体内の映像は昔のNHKの番組を見ているようでワクワクするが、しばらくすると見慣れてきてお化け屋敷のように見えてきてしまう。
人体に基づいていて真面目で良い映画だと思う反面、登場人物の掘り下げが一切ないので、患者を助けたいという気持ちが湧いてこない。裏切り者が混ざっているのはお約束だけど、これまた人物に魅力がないので正直誰でもよかった。
救命艇が壊れて脱出不可能と思いきや、涙で脱出を図るというのは後の作品に多くの影響を与えたはずだが、小さくした救命艇を人体に残してきたのはツッコミ待ちだろうか。手術は成功したが患者が派手に死んでるだろうに。
映画史の勉強と思えばまあまあ。
稀