犯罪に使われたソフトの開発者が罪に問われる話。
幇助の意思があったことにしたい警察と、それを晴らそうとする弁護団。扱われているのが「満えんさせるつもりだったか？」というお気持ちなので、雲をつかむような話が続く。だからこそ未曾有で不当な事件だったのだろうけど、映画として楽しむには退屈な時間が続く。
主人公が古典的なオタクとして描かれている。実際の金子勇がコミュ障だったのかもしれないが、それでも極端に記号化しているように感じられた。弁護団の気持ちをないがしろにするような言動を何回も見せられるので応援したくならない。
警察の汚職に絡めて匿名性を訴えかけるのは良い構成だったが、ＷＩＮＮＹの凄さを伝えるには不十分に感じた。自分はリアルタイムで事件を知っていたが、舞台裏のような目新しい情報はなく、警察の汚職に巻き込まれた人のドキュメンタリーくらいにしか映らなかった。
