盆栽

ターミネーター ニュー・フェイトの盆栽のレビュー・感想・評価

3.4
『ターミネーター』の運命やいかに!?


 ジェームズ・キャメロンが製作総指揮としてシリーズ復帰し、あの伝説的な『T2』の正統続編として再起動。『新起動/ジェニシス』で失った信頼を取り戻すことはできたのだろうか。

 本作がどれほど本気でシリーズの再起を図っているかはリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーの復活を見れば一目瞭然。歳を重ねても軽々とショットガンをぶっ放し、殺人マシンとの戦いを続ける。何年経ってもカッコいい女性であることに変わりはありませんでした。

 ストーリーは冒頭から衝撃的。『T2』の頑張りは一体何だったんだ、と思ってしまうほど。ですが、そこから機転を利かして新たな物語を作り出す。そして選ばれた主人公が未来から来た強化人間グレースと、サラのようにターミネーターから命を狙われる少女ダニエラ。もちろんシュワちゃんも登場しますが、今回は完全なるサポート役。敵役のターミネーターはT-800とT-1000を合体させたかのようなチートキャラ。分かりやすいほど原点回帰を狙ってきています。

 シリーズ作品における原点回帰は勝ち負けの差が激しい。最近だと『エイリアン:ロムルス』は大成功しましたが、失敗するケースがほとんど。本作もどちらかというと後者な気がします。先に言っておくと、『新起動/ジェニシス』よりは圧倒的に面白いですが、1と2を頼りにしすぎている印象。序盤のカーチェイスもそうですし、ストーリーの運び方から全てが何度も観てきたもの。良い言い方をすればオマージュですが、もっと独自路線で挑戦してほしかった。置きに行ったのが仇となったのかもしれません。

 ターミネーターの新時代を築くはずだった『ニュー・フェイト』。興行的には失敗してしまったので続編はまたしても作られないでしょうが、これで『ターミネーター』の最終作にしてはほしくない。いつの日か綺麗に「I'm back.」してくれることを切に願っています。

 未来を変えたとしても、また別の未来がやってくる。運命には抗えないということか。哲学すぎる。

2025.1.4 初鑑賞
盆栽

盆栽