こちらの完結編も、ホラーアクション+エンタテインメント大作としてしっかり堪能した。劇場公開時には、二年間しっかり時間が開いた形で鑑賞したが、立て続けに見たほうが前作との細かな繋がりが分かって、より楽しめる。
オープニングシーンなのでネタバレにはならないと思うが、子供ではなく大人が殺されるのに違和感。でも、確か原作にもあったエピソードだし、このシーンで流れる川に架かる橋桁から無数に浮かび上がる赤い風船が鮮烈で美しい。
前作から27年後のストーリーなので、主要登場人物も40歳となり、ジェシカ・チャスティン、ジェームズ・マカヴォイ等演じる俳優陣も豪華。また、原作の特徴である現在と過去が交錯する流れを上手く活かし、前作の子役陣も引き続き出演。この、大人と少年少女時代の二人の役者の使い分け、作品内での切り替わりが実にスムーズ。
但し、本作は169分と一気に上映時間も延びるので、登場人物一人一人のエピソードに分けてて描かれる分、多少、ダレてしまう部分も有り。
IT=ペニーワイズ自体の造形の怖さにも慣れてしまうが、その分、新たな多種多様のモンスターが登場するので、楽しい。
子供に対する仕打ちも前作同様容赦なく、特に鏡の迷路のシーンは一見の価値あり。
終盤のペニーワイズの巣窟の贈与なセットなんかはH.R.ギーガーの世界観だし、一連のアクションシーンも見応え大。ペニーワイズの正体、そして、退治法が意外とアレなのは批判されがちではあるが、原作通りなので、まあ致し方ないところ。
強いて言えば、前作で少年たきっちりきっちりとした理由もなくペニーワイズを退治できてしまった様に描かれてしまったせいでもあるかな。その点、1990年製作のTVムービー版では原作の意図を組んだ、より忠実な描かれ方をしていた記憶。
メインキャラクターの一人の設定を大きく変えてはいるが、これもまた今の時代に合わせた結果だろうし、本作にも原作者のスティーブン・キングが出演し、かなりの名演を披露しているくらいなので、この設定改変にも同意の上の事と思われる。
個人的には、前作同様にアトラクション要素満載のホラーアクション大作として、また、キングファンとしても大満足。