要

ファウストの要のレビュー・感想・評価

ファウスト(1994年製作の映画)
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題材であるドイツの「ファウスト伝説」の概要を知っていると鑑賞しやすい。私は知らなかったので途中まであれれってことが多かった・・
ファウストは著名な学者だが、その成功や自分の人生に満足できず、この世の全ての快楽や宇宙の真理を知る代わりに悪魔に魂を渡す約束をしてしまう。実在の錬金術師がモデルといわれ、中世を通して人形劇や演劇、文学の題材となった。
舞台は現代に置き換わっているが、人形劇で描き出す伝説と現実が常に交錯しながら話が進む。

最初は結構不気味な重厚な感じで身構えたけど、途中から可愛い・笑えるポイントがたくさん出てきてかなり楽しんだ。
メフィストフェレスがすぐ粘土になっちゃうのとか、なんかよくわかんない骨たちとか、悪魔と天使のやりとりとか。道化と悪魔めっちゃ好き。
あとレストランのウェイターに扮した謎男①が「それ持っときな」のジェスチャーするとき地獄のミサワっぽくてツボ…

チェコの人形劇文化が垣間見れて興味深い。人形劇とストップモーション、現実が巧みに交わる世界観はさすが、魅了される。
実写の人間をあえてストップモーションで見せる手法が新鮮で面白い。
あとやはり食の描写は…人の感覚を逆なでする天才だと思う…。

あの空間はいわば罠なんですな〜おっかない。ファウスト以外の人が入ったらまた違う夢を見るのだろうか。みんながみんな錬金術オタクじゃないもんな。
最後のあの人は悦楽共犯者のあの人ですね🐔
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