「チ。」を読んだ息子が「あのマンガ、面白いね。早く続きが読みたい」と言ってきた。あえて息子の目のつく所に置いたのは私なのだが、こうも簡単に思い通りにいくとは思ってもみなかった。真の主人公は他の誰でもない。ノヴァクさんだ。と教えてやると、驚きを隠せない様子だった。まだまだ幼いと思っていた我が子が、このマンガの面白さを理解できるようになったかと思うと、いささか感慨深いものがある。
この映画『グレイン』の主人公もまた「知」に取り憑かれた人間だった
モノクロの近未来
見えない壁によって隔てられた選別されるの世界
そこには死に絶えた土地が広がり
無機質な人の死はあまりにも軽い
グレインとは穀物の意
遺伝子操作された穀物が引き起こすカオス
遺伝子カオス
そして万物に宿るチカラ
フォースか!?
フォースが出てくるんじゃないのもしかして?
期待はどんどん膨らんでいきましたが
すぐにしぼみました
(フォースではなかった)
土を愛でるシーンは共感できなかったし、ラスト付近のどんでん返しは哲学的すぎて難しいってこれ
それは果たして義務感か、はたまた世界を救うためなのか、人は知りたいという欲求を止めることなどできない。真理を求めて、後戻りできない領域に足を踏み出すといった内容なのですが、しがないおじさんが主人公だからかな。なんていうか…そのう…
華が無い
アクションも無ければロマンスも無い(サスペンスはありました)。予想はしていたけれど、この映画は決して娯楽作品ではなかった。かすかにタルコフスキーの匂いすらする。実に好みが分かれる映画だ。
しかし世界各地でロケを行ったという大自然の迫力はすごかった。荒廃した世界を描いているので、だいたいが荒廃しているように見えるのだけれど、目の前に広がる空、生命の息吹きを感じさせないほどの風景、荒々しい岩、岩、岩。存在が圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。
トルコのセミフ・カプランオール監督。独特の世界観を創り出す監督ですね。