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聖なる泉の少女のotomのレビュー・感想・評価

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)
4.8
白濁して行く静謐なOPからインダストリアルな感じのダム工事とで人間が便利さと引き換えにしたものが浮き上がる。押し付け半分、宿命半分な少女の顛末の悲しさが寒々としたジョージアの風景で余計に悲しい感じ。異なる信仰であさっての方を向きながらも共通する祖国愛を持つ兄弟達を象徴とした複雑なお国柄で、最後の希望とも言える少女の立ち位置。巫女的ポテンシャル(ジーザス級)を持ち合わせつつも、個人としての選択をするラストは美しさや不安やら色んなものを孕んでいる。兄弟達のハーモニーが寒村に響き渡るシーンの波動がちょっと凄い。
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