【ヤンおじさんのバイク】
最近『老害』という言葉をよく聞く。
その意味は…『自分が老いたのに気づかず(気をとめず)、まわりの若手の活躍を妨げて生ずる害悪。』と定義されるらしい。
本作、老いた野獣(老害)は、周りの若手の活躍を阻害するわけではないが、かなり勝手なことをする。
例えば、寝たきりの妻の介護もせず麻雀に通ったり、情婦と寝たり…
なかなかの野獣先輩ぶり。
それでいて外面がちゃっとよかったり、後輩には見栄をはってみたり…
そんな父を許せない子供達は自分たちで母の手術金を工面するが、それすらもこの野獣にもってかれてしまう。
一言で言えば、この主人公はいわゆるクソな人間。
けれども彼には彼なりの信念があって、考えてることは考えているようだ。
信頼を回復することはむずかしい。
父だから憎むし、父だから心配。
息子だから許せないこともあるし、心配になることもある。
大きく育ててくれたのは親なだけに、老害となってしまったら、どうすべきなのだろう。
2017.10.31