飢えたライオンの作品情報・感想・評価

飢えたライオン2017年製作の映画)

The Hungry Lion

上映日:2018年09月15日

製作国:

上映時間:78分

あらすじ

ある朝のHRで、瞳の担任が児童ポルノ禁止法違反の容疑で警察に連行された。担任の性的動画が流出し、その相手が瞳だというデマが流れる。誰も信じないだろうと軽く考えていた瞳だったが、デマは事実のように広がっていき、瞳は追いつめられ自殺をする。 担任の逮捕と生徒の自殺は、マスコミの格好の餌食となり報道は加熱していく。そして社会によって瞳の「虚像」が作られていくのだった…。本作は、映像や情報の持つ「加虐…

ある朝のHRで、瞳の担任が児童ポルノ禁止法違反の容疑で警察に連行された。担任の性的動画が流出し、その相手が瞳だというデマが流れる。誰も信じないだろうと軽く考えていた瞳だったが、デマは事実のように広がっていき、瞳は追いつめられ自殺をする。 担任の逮捕と生徒の自殺は、マスコミの格好の餌食となり報道は加熱していく。そして社会によって瞳の「虚像」が作られていくのだった…。本作は、映像や情報の持つ「加虐性」を描くと同時に、それらを消費する私たちの中にある邪悪な“欲望”をあぶり出す。

「飢えたライオン」に投稿された感想・評価

心残りはなくはないけれど、初めてなりに、私なりに監督が伝えたかったこと、私が伝えたかったことを全力で形にしました。
個人的に、メディア上でのトラブル被害の経験が自分自身に降りかかった経験があるからこその視点もリアルに落とし込んだつもりです。
こうしてこういうメディアを使用して何かを伝えることのメリットとデメリットも然りだし、自分の本業としてのテクニックと手法も然り。
SNSもウェブメディアもテレビも雑誌もラジオも映画も、その奥には発信している「人」がいて、書いている「人」がいる。
そこには感情や思想が存在する。
その事を、それがどういう事なのかを忘れちゃいけない。色んな意味で。

色んな思いもあるし、手前味噌な部分もでてしまうので、スコアはあえてナシ。
正直、いい気分になれる映画ではありません。
プラスでもマイナスでも、なんらかの感情や想いがそこに残れば本望です。
1人でも多くの方にご覧いただき、考えたり、気に留めたり、立ち止まったり。
違和感だけでもいい。
そんなきっかけになればいいなと思っています。

よろしくお願いします。
Yuma

Yumaの感想・評価

3.5
ロッテルダム映画祭にて鑑賞しました。
エスカレーターと制服って、とっても日本的な物だと実感したよ。
とにかくオランダ人にとってはエキゾチックな世界が広がっていた様子。
個人的には、ちょっと悲観的視点だけで悲しかったけども。現実性よりもメディア批判が強い印象を受けました。
第30回東京国際映画祭スプラッシュ部門ワールドプレミアにて上映されたものを鑑賞。
「映像や情報の加虐性」を問題提起された。自分でちゃんと考える事のできる力、「想像力」が大切らしい。
情報を受け止め、こうして、発信することの怖さを感じつつ、今、鑑賞記録を書いている私は誰かを傷付けてはいないかと不安になる。
シーンの移り変わりの合間に挿入される黒みは、人間のまばたき。とQ&Aで監督がおっしゃってた。全ての事象がひとつの線を描いてるというよりは、ありとあらゆる点が掛け合わせって起きてしまった結末。嫌な気持ちになって帰ってほしい、という言葉のままの感情で帰路につきました。

ハネケ作品や坂本あゆみ監督「FORMA」を思い出すような、見てるこっち側を強制的に映画の世界に参加させてくれる作りの映画はやっぱり好きだな。
Rjork

Rjorkの感想・評価

-

文明と一緒に人の命も軽くなってく
一面だけの世界になっちゃうのかな
ものすごくイライラさせられる。イライラさせようという意図をわかっていながら苛立つ自分に気づいていて、それが可笑しくて笑えてくる。

ラストシーンの意図を踏まえて考えても、「ファニーゲーム」のフォーマットを利用して、メディアの暴力性、他人への関心と無関心についての問題を提起している、と言うことができそう。

ただ、観客に対する悪意が剥き出しすぎて、あまり好きにはなれなかった。
作り手の視点は浅く、その視線も鈍い。
リアリティに欠ける描写の連続とテーマありきで配置された嘘っぽい登場人物達が嘘っぱちなストーリーで踊らされるレベルの低い人形劇のような作品。
SP

SPの感想・評価

-
タイトルロールは彼女のことだと思って見始めたけど、次第にその様相は変化していった。内容はエグいけど、どこか乾いて引いた目線。これは群像劇なのだと思った。感情移入しなかったけど、面白かった。映像の暴力性、メディアの執拗な浅ましさ。断片たちが連なった現実でした‬
lp

lpの感想・評価

4.0
第30回東京国際映画祭にて鑑賞。日本映画スプラッシュ部門の作品。

担任教師との淫行を噂され、次第に周囲から追い詰められる女子高生の物語。

「情報に躍らされる現代」をテーマに、徹底的に観客への「問い掛け」を行う映画だった。面白かったし好きだったけど、観終わってからずっと何かが引っ掛かっていた。その引っ掛かりの正体は、今作の主題が森達也監督の『FAKE』と被ることだと、後になって気が付く。だから「またこの問い掛けかよ」って印象が残り、少々物足りなさを感じた。

当然、劇映画の今作とドキュメンタリーの『FAKE』では、単純比較が難しい部分も多分にある。ただ、『FAKE』が「ドキュメンタリー」という手法そのものも利用した傑作であったことに加えて、今作が後発になってしまったことを踏まえると、どうしても『FAKE』の先にある「問い掛けへの答え」を何かしら導いて欲しかったという思いが残る。

さて、ここからは本作単独での感想。

まず、「人間は何らかのフィルターを通して、物事を見ていること」を明示するタイトルの出し方と、「カメラは目の前に映る事実を記録するだけであること」を明示するラストショット。この円環構造の時点でもう素晴らしい。オープニングとクロージングだけでも、主題をしっかり訴えかけていた。

この映画の最大のポイントは、結局主人公が担任教師と性交していたのか否か、その白黒をハッキリ明示せず、余白を残しているように感じられるところ。
そしてこの余白を御膳立てするのが、緒方監督の非常に理にかなった演出と主演の松林うららの演技だった。
暗転を多用して断片的に情報を与える、音楽は使わない、主人公の表情をあまり映さない、主人公の考えは直接言葉で表しない・・・どれもこれも観てる間は「変わった演出だな」ぐらいにしか思わなかったけど、観賞後に振り返ると、緒方監督の演出は全て効果的で見事にやられた!「何を言ったか」という事実をカメラが記録として残すのみで、その裏にある登場人物の感情や考えは、観客が読み取るよう設計されている。「主人公は根も葉もない噂に惑わされた犠牲者」とも読み取れるし、「隠したかった担任教師との関係を白日の下に晒され、行き場を失う存在」とも読み取れる。この辺りの解釈は、他に観た人がどんな感想を抱くのか気になるところ。
その一方で、噂に端を発した周囲からの好奇の目が主人公を追い詰める点は比較的に明確で、「情報に踊らされる現代」というテーマはしっかりと立脚する。見事。

主演の松林うららの演技(AVのようなシーンもあり、舞台挨拶で24歳と知って安堵)も、表情や声色の変化があまり無く、何か含みがあるように感じられた。巧い。

最後に余談。前半で出てきたレンタルビデオ屋が、おそらく実家近所の「日の丸」(現在は閉店して100円ショップ)で凄く驚いた!ちなみに実際のお店だと、AVコーナーにはあの順路だと遠回りです。

「これが受賞すべき」と思えるほどの突出したものを感じた訳ではないけど、今作が日本映画スプラッシュ部門の作品賞を受賞しても、全く違和感なく納得できる。事実のみを描きこむような映画なので、人によっては物足りなさを感じるかもしれないけど、個人的にはオススメです。
自分の絶望で人が、メディアが生きている

誰も信じて見れなかった。
メディアに囲まれている今だからこそ観たい映画でした、TIFFで観れてよかった。
学生当日券本当に有難いです。
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