こないだ配信で『新感染ファイナルエクスプレス』を見たばかりで、タイミングよくマ・ドンソク主演のアクション映画。身重の奥さんを守るためにゾンビの群れに突っ込んでいく竜虎（力士の）似の男優ですね。お話はソウルを舞台にした警察と韓国ヤクザと中国マフィアの血みどろの抗争を描いたもので、まあよくあるヤクザ/犯罪映画です。でも最後まで飽きずに見られたし、ツッコミどころは一杯ありましたが、面白かった。主人公が警察官なので『アウトレイジ』とか日本の実録ヤクザものとは逆の設定だけど、それ以上に一番違うのが、たけし映画や東映ヤクザ映画では警察は徹底的に姑息で汚くて卑怯な集団として描かれるのに、この映画では警察の働きの素晴らしさを描きたかった」と製作者が表明してること。そもそもも、「これまでの映画では警察が悪く描かれてるのが不満だった」というのが制作のモチベーションだというのが好き嫌いが分かれるところだと思う。ちなみに私は反権力指向のない警察・ヤクザ映画はあまり好きではない。もちろん警察官が聖人君子に描かれるわけではなく、適度のえげつない描写も出てきますけどね。
たけし映画や実録ヤクザ映画と違うもうひとつの点が、主人公が荒っぽくて乱暴だけど気が優しくて力持ち、愛嬌のある愛されキャラで（これはマ・ドンソク自身のキャラでもある）、まるで「トラック野郎」の主人公みたいな笑えるところもあり、たけし主演・監督のヤクザもの、たとえば『アウトレイジ』みたいな殺伐とした感じがないこと。そこも好き嫌いでしょうね。残酷描写はちょっとあるけどエロ要素は皆無。韓国で「青少年観覧不可映画」に指定されているらしいけど、この内容なら親子連れで見ても大丈夫じゃないでしょうか。(2018/4/17記）
