なばる

犯罪都市のなばるのレビュー・感想・評価

犯罪都市(2017年製作の映画)
3.6
キャッチコピーからもっとライトな展開だと思ってたら、流石韓国ノワールだった。
ざくざく刺したり斧使って腕落としたりな描写はあるけど、直接的に映らないので耐性が低い人でも大丈夫かと思う。

この映画の魅力はやはり刑事と敵対ヤクザの二人に尽きる。
ヤクザを張り倒していくマ・ドンソク兄貴はひたすらにかっこいい。登場しただけで謎の安心感を与えてくれる。
また、怪我した部下を気遣ったり馴染みのヤクザを嗜めたり、美人に舞い上がって酔い潰れたりといった人間味にも溢れている。
一方で冷酷非道な中国系ヤクザを演じたユン・ゲサンの迫力も凄かった。
圧倒的な暴力で初手をくじくのに長けていて、序盤ではいきなり敵対組長をめった刺しにして部下の戦意を喪失させ、組を乗っ取ってしまう。本人が意識的に行っているのかは分からないけど、そういう手法を平然と取るから怖い。

そんな冷酷非道な悪党がソウル市内でこんなことある?ってくらいに金を取り立て暴れまくる。彼らを追う警察とのやり取りには緊迫感があり面白い。
ただヤクザ同士の争いは一方的にやられっぱなしなので、ちょっとフラストレーションが溜まった。毒蛇組はともかくイス組のパーティー会場への殴り込みとか、報復の可能性あるんだからもっと警備しっかりしろよと。警察と中国系ヤクザの2強になってたので、もう少し三つ巴な抗争も見てみたかった…。

とはいえ切って殴ってな泥臭い格闘はかっこよかったので楽しめた。
続編も決定してるので、今度はどんな悪党が登場するのいまから期待します!
なばる

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