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ジェリーフィッシュのchakoのレビュー・感想・評価

ジェリーフィッシュ(2007年製作の映画)
3.5
ジャケットから自分が想像していたような明るいポップな作品ではなかったけれど、儚く美しくて、何とも不思議な浮遊感のある作品でした。

イスラエルの海辺の街を舞台に三人の女性
の日常が淡々と描かれていて、 ジャンルで言うならオムニバス形式の群青劇といったところですかね。
ジャケットにも写っている浮き輪の少女との出会いを軸に進んでいくのですが、あまりに詩的すぎて、DVDの特典映像で監督が語っていたように現実と幻想の狭間をゆらゆらとクラゲのように浮かんでいるかのような感覚。
ちなみに監督&脚本を務めたお二人は私生活ではカップルなんだとか。

それぞれが心に抱える孤独を捉えた繊細なカメラワーク
一枚の写真から蘇る封印した過去
外せない浮き輪
買ってもらえなかったアイスキャンデー

どこへ向かえばいいのか、行き先さえも分からず、ただ流れに任せて過去と現在、幻想の狭間をただゆらゆらと漂っていた彼女が未来へと歩き出す姿が静かながらも温かい。

一日の終わりに静かに観るのにおすすめしたい作品です。

それから浮き輪の少女が天使みたいに可愛くて存在感あるなぁと思っていたら、インタビューでも凄かった。
「あなたの役はどんな役?」
「知らない」
「どうして選ばれたの?」
「あたしが美人だから。可愛いから!」

なかなかの大物感・・・(笑)
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