このレビューはネタバレを含みます
ラストの組体操で創るクレーンのシークエンスが素晴らしい。感動した。そこにはまぎれもなく愛があった。
とすればこれはもうトリュフォーの『アメリカの夜』やアレンの『ブロードウェイと銃弾』を見出したとしても決して大袈裟な話ではないだろう。
作品を観て、映画っていいな映画制作っていいなって多くの人が感じたんじゃないだろうか。そしてまたすこし日本の映画の裾野が広がったとしたら作品に関わった方々(ワークショップはもとよりクラウドファンディングも含めて)は映画人冥利に尽きたね。
この作品の笑いは緻密だけど、この面白さってシナリオだと伝わり辛いと思うんだよね。ネタを何度も照らし合わせて確認してるんだろうなぁ。
例えば酒飲みのおっさんが最初にゾンビになって襲ってくるけど、めっちゃ動きが遅いんだよね。ああこれは遅い系ゾンビの映画なんだと思ってると、カメラマンゾンビがすげーアクティブ系であれ?ってなる。こういう「あれ?」がつくり手によって意図的に演出されたものであると後半になってネタが解るけど、こういう仕掛けが所々に散りばめられてるにも関わらず集中力を強いられずとも笑いを堪能できるのは映画の強みであるなぁと思った。