ダニエル・デイ＝ルイス引退作ということでせっかくだから映画館で鑑賞。
これは完成度が凄い。場面によっては自然光を取り入れたかのような映像、ピアノスコアを中心とした美しい音楽、違和感を見事に表現するノイズ、人物の表情。
肝心の物語は恋愛映画としては共感できない… けれど、演出の妙を感じた。濃密で歪んだ愛の物語。
主人公がオートクチュールのドレスの仕立屋だけあって、衣装も見応えアリ。ドレスに加えてダニエル・デイ＝ルイス演じるレイノルズのスーツの着こなしも堪らない。
設定から予想していたのとは全く違う方向に転がるストーリー、正直言って怖かった… 仕事への情熱、妥協できない美意識、何とか相手の生活へと入り込みたい欲望と恋情。興味あるならぜひネタバレなしで鑑賞を。
歪んだ愛、狂った愛、それでも2人にとってはこの形が正解なんだろうな。
