Aya

ベン・イズ・バックのAyaのレビュー・感想・評価

ベン・イズ・バック(2018年製作の映画)
3.5
★ヒューマンドラマ★ Ben Is Back

薬物依依存症だが、頑張って更生しようとしている息子ベン(ルーカス・ヘッジズ)と、彼を心から愛しつつも、どうしても信じることが出来ない葛藤の中でもがく母親ホリー(ジュリア・ロバーツ)がメイン。でも彼らをとりまく、ホリーの再婚相手でベンの義理の父親や、ホリーの長女、周りの登場人物も、しっかり描かれてて、いろんな意味で迫力があった。

話の展開的に、ちょっと雑なところもあったりはしたけど、ジュリア・ロバーツとルーカス・ヘッジズの演技力、テーマの重さ(問題提起)で元獲れてる(笑)まじでいろんなところで考えさせられた。そして、ジュリア・ロバーツには脱帽。年はとったけど、やっぱり綺麗。

病院で処方される、体に良い良薬であるはずのものが、うっかり投薬量を超えると人間を殺す毒薬になる。シンプルに怖い。病やケガを治しハッピーの道に進むか、破滅の道へ進むか、そこの分岐点で正しい選択ができるかどうかって、周りの環境がとても大きいと思う。その環境が「愛」や「喜び」に溢れたものだったら、きっと「破滅」の分岐点には進んでいかないはず。

映画の中で、ところどころ出てくるベンの言葉を考えると(あまりにサラっというし、そこまで深く語られることないけど、実は重要なこと言ってるとこ結構ある)、そこにはやっぱり深い「孤独」があったんだろうなと。もしかしたら母親の「ゆがんだ愛」や複雑な家庭環境も原因の一つだったのではないかと思わざるを得ない。

そして引き戻れないくらいの「破滅の道」をすすみ、「依存症」になると、本当にクリーンになるのが難しいんだなろうな。最後の結末も、綺麗ゴトじゃない現実をしっかり伝えてくれてる。最後の最後に、一縷の希望を残してくれた終わり方に、私は良い方の道を歩むあの家族の姿を思い描きたいと思います。
Aya

Aya