ミミック

港町のミミックのレビュー・感想・評価

港町(2018年製作の映画)
3.8
ある一人に話を聞いて日常を追いかけるうちに出会った他の人にまた話を聞いて付いていくといった数珠つなぎスタイルで次第に関係性が見えてくる。

全く知らないアメリカから来た撮影クルーが寂れた港町のドキュメンタリーを撮るために街をうろついている。お客としてもてなすにしても普段と同じ行動を撮るにしてもカメラに撮られてる時点で非日常の状態なんだろうな。

道具を使い仕掛けを施して魚を捕らえてそれらを売って暮らす、太古から今も続くとても原始的な漁業の仕事。慣れた手付きで網をほどく老人の手もとが頼もしい。

良く喋るのと杖を付いた友人同士のおばあちゃんの二人が印象的。あのおばあさんの息子の話はどこまで本当なんだろう。

友達にお裾分けするために散歩の時間に通るのを待ってたが来ないから家に向かうと車で出掛けてたのでもと居た所戻ってくる、スマホを使わない人達の時間の使い方がもう既に新鮮に感じた。

モノクロ映像はフィルターがかかったようでまるで今の日本とは思えないフィクショナルな感覚に、だからこそラストカットにハッとする。
ミミック

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