自然体なのか演技なのか…
その境界線が曖昧ながらも、そこに人間としてとても魅力を感じてしまうのですから、樹木希林さんはやはり素晴らしい女優さんでした…。
洗練された人の所作には、ある種の美しさを感じます。
作中にて希林さん演じる茶道の先生から
「まずは形から入って、後から魂を入れれば良い」
という言葉がありますが、ほとんどの物事に言えることだと思います。
本作は茶道を通して、人の技術・文化によって産まれた澄み切った空気感や、日常に当たり前のように存在しながらも聞き逃してしまっているであろう四季の変化や音に想いを馳せ、五感で感じる映画です。
作中に無駄な音はありません。
人生には転機なんてものがありますが、そんなものは長い人生のほんの一瞬で…あとは時間が解決して行く。
それよりも、また同じ事を出来るという幸せを当たり前だと思わず毎日嚙みしめよう…
そんなメッセージが伝わってくる日本情緒豊かな作品です。
分かりやすいストーリーを求める映画ではないですが、この映画を観て
「今日も好い日だった」
なんて思えたら、素敵じゃないかなーなんて笑
