【本当に大切なものはステージの外にある】
斬新な物語ではなく、はじめ凡庸な語り口で大丈夫かコレ?と思ったが…“スター誕生”物語ではない、本当の貌がわかってくると…泣いたわ泣いた。
インドの男尊女卑はやはり尋常でないな、と感じつつ、これがインド映画で歴代世界興収第三位を獲ったということは、普遍的な訴えのある物語という証でしょう。鮮度ある佳作だと思います。
『ダンガル』のお姉ちゃんこと、ザイラーちゃんがヒロインを好演。感情の捌き方にもっと、諧調が欲しいところだけど、頑張ってますね。
しっかり者だが我儘。美人でないし、ぷっくら体型。よいおばちゃんになりそう(笑)…だが、あたらしい印度女子の息吹が漏れ伝わります。ちょっと、ケイト・ウィンスレットのような貫禄をおぼえました。
裏ヒロインの母ちゃんは、もっと存在感濃いとよかった。溜めに溜めて、最後に場をさらってほしかった。この女優さん合っていたのかな?
母娘を囲む男衆は、悪役かサポート役、に留まるのがバランスいいです。アーミルも脇役に徹して、逆に楽しそう。最後の最後で、美味しいトコ取りに来るのがスターだな、とは思ったが…今回カワイイよね。
肝心の歌は、肝心要の一曲が、グサリと刺してきますね。私はそれで充分でした。
タイトルの響きは、映画を見終えても好きになれないが、最後でこう意味づけられると降参(笑)。
はじめは、これをチャンネル名に使うヒロインが太々しいな、と思ったのに、こうオトシてきたかと。最後にサジェスチョンを残しているのがまた、ね。
幼い弟くんがいう「ぼくたち、次はどこへ行くの?」…これの答え、出ていませんよね。
今回も思ったが、こういう映画をシネコンでかけるべきでしょう!
<2019.8.14記>