「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズのスタジオカラー制作による生きる意味を問いかけるオリジナル長編アニメ。
龍の最大の弱点は虫歯。
歯医者たちが龍を虫歯から守る見返りに、龍の背中に戦艦を載せて敵国を攻撃していた。
ある日、戦争で死んだはずの敵国の少年将校ベルが龍の歯で蘇り、龍の歯医者の下っ端の野ノ子が彼の面倒をみることになる。
そんな折り、歯医者仲間の裏切り者により、一本の龍の歯が抜け落ちて地上に落下し、敵軍の手に渡ってしまうが……
龍の最大の弱点が虫歯という奇想天外な設定が面白い。
作品冒頭の戦艦による艦隊の砲撃戦は迫力満点。
その後は龍の歯を舞台に様々な虫歯菌との戦いが繰り広げられる。
夜泣き虫、光虫、アブク虫、矢じり虫、歯石虫、テング虫、ムクロ虫などの虫歯菌が登場する。
時に強大な虫歯菌との戦いで命を落とす歯医者も。
それらを通じて生きるこの意味や死について問いかける。
自らの意思で龍の歯医者になり、その仕事に命をかける少女と、自分の意志とは別に、選ばれて龍の歯医者になり、死から逃れようとする少年が対比的に描かれている。
さらに死を直前に、自分が生きた意味を自問する。
虫歯のようなささいなことで死ぬこともある。
死はいつ訪れるかは分からないが、必ずやって来る。
だからこそ自分の役割を精一杯頑張りながら生きることが大切なのかもしれない。
「龍は歯で泣くんだ!」
「生きるって楽しいよな!」
BS12にて鑑賞