信念の弁護士シャヒドの物語は現実的で厳しいインドの裏の顔である宗教対立と多くの冤罪が起こっている司法の問題を鋭い視点で表現されるリアルな内容。裁判での討論は口論並みのとても激しいマシンガントークの応酬で他の法廷映画でもなかなか見れない場面だった。終盤の相手のしつこ過ぎる女検事はある意味映画史に残る悪役とも言えるかも知れない

アヌラーグ・カシャプのプロデュースによる、人権派弁護士シャヒドの過去・信念と正義を描く、インド産の傑作法廷劇。宗教や人種によって差別され、テロの容疑者は証拠の有無に関わらず庶民から選ばれ、誰かの代わりに裁かれる。そうやって保たれている偽りの法治国家を、強い信念で跳ね除ける主人公と、外側、内側、そして過去から次々へと彼に降りかかる火の粉。論理的な主張で無罪を勝ち取れないのであれば、法廷という場所に何の意味があるのか。すべてが印象で決まってしまえば、私刑となんら変わらない。崩壊しかけた司法と一筋の光を描いた重苦しい作品だった。

インド映画349本目は社会派映画監督として有名なハンサル・メヘターによる人権派弁護士の伝記映画。

見たことを忘れているところを見ると、見ていてしんどかったのだと思います。あと、似たような映画が結構ある。

記録があったので、見た映画はこれだったと気づきました。