題材につられてやってくる欲まみれの人間はみんなまとめて綺麗に洗車されて帰るくらい誠実で、ちゃんとキラキラしたものを持ち帰ることができる映画。だけど本質はごくごく普遍な話。大袈裟がない。というかその最も誠実な姿こそを普遍と呼びたい。呼べる人間でありたいと思う。
恋をする気持ち、それは決して欲だけでなく、何かをやってみようという立ち向かう力を与える"欠けがえのないもの"だと正々堂々描いているとても気持ちのよい青春映画。
誰かの何気ない言動が点となり線を結び、別の誰かの気付きになっていくところが丁寧に描かれていたけれど、原作漫画のあじわいがそうなのかなと思った。
大泉洋だから、ではないけれど間の笑いが多かったのは意外な収穫だった。原作のコマをうまく映像に落とせる監督の手腕かもしれない。
何より小松菜奈ちゃんはでっかいスクリーンでみてこその女優さんです。青空の中で降りしきるスコールの中で海を前に世界をみつめる力。少女漫画よりも少年漫画的魅力に溢れています。
やっぱり走る映画は名作。