ワイカ

ゲティ家の身代金のワイカのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.0
守銭奴の大金持ちが、誘拐された孫の身代金をケチっていろいろこじれた話。

 ただのケチじゃなく誘拐犯に毅然とした態度を見せることで身代金を払わずに孫を取り戻す戦略かと思いきや、そうではなくてやっぱりただのケチだったようです。

 それ以上のことはほとんど何もなく、意外性や驚きもなく、ダラダラと長く、退屈でした。長いわりに説明不足のところも多いし、正直いまいちです。

ケチのブラックジョークも中途半端。身代金で節税しようとしたり、英国の家に客用の公衆電話ボックス(しかもロンドン名物の赤いヤツ)置いたりというのはさすがに苦笑したけど、それだけって感じも。

むしろ手掛かりの犯人をすぐ撃ち殺す警察や、手掛かりを簡単に与えちゃう犯人のアホさ加減に驚きました。

しかも、いろんな登場人物をいちいち少しずつ重要そうに描いたことで散漫な印象に。犯人側のチンクアンタなんてどうでもいいから、もっとゲティさんのエグさだけに寄せた方が面白かったんじゃ。

マーク・ウォールバーグは事件解決にほとんど役に立たず完全な無駄遣い。クリストファー・プラマーはさすがだったけど、この人基本的に頑固な善人の役が似合うので、やはりケビン・スペイシーで観てみたかったかな。ミシェル・ウィリアムズは良かったです。あ、あとイタリアの街並みは美しかった。また行きたいなぁ。

こんなに世間を騒がせた誘拐事件がありましたとさ、程度に観るべき作品。そういえばアンソニー・ホプキンスが出てたハイネケンの映画もイマイチだったし、実話の誘拐モノって意外と難しいのかも。フィクションだと黒澤明の「天国と地獄」みたいな名作もあるのに。
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