All the Money in the World:リドリー・スコット監督、ミシェル・ウィリアムズ主演、2017年アメリカ、イギリス作品。
「世界中のすべての金を手にした」といわれる大富豪ゲティ。孫ポールが誘拐され1700万ドルという破格の身代金を要求されたゲティは、支払いを断固拒否。彼は大富豪であると同時に稀代の守銭奴だったのだ。離婚によりゲティ家を離れていたポールの母ゲイルに支払いは不可能・・・・。
久しぶりのリドリー・スコット新作。序盤からその相変わらず映像美に期待は高まる。しかしそれほど盛り上がりもせず、それもらしいかなと思いもしたが、あまりに監督の狙いが掴めない。金の亡者であるゲティの批判でもなく、ドキュメンタリーとしてのリアリティの追及でもなかったのは間違いなさそうだ。
ただただ私的には映像だけは惚れ惚れするもので、重厚感、色彩感覚、陰影の使い方、構図の美しさ、奥行、どれをとっても素晴らしいばかり。さすがリドリー・スコット監督!映像だけでも観る価値は充分かも知れない。
凄く高級感のあるサスペンスのムードだけは味わえる作品だろうか。クリント・イーストウッド監督が撮ったらメッセージ性が絞られて刺さる作品になったかも(苦笑)