ヤベヒロシ

工作 黒金星と呼ばれた男のヤベヒロシのレビュー・感想・評価

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)
4.5
フィクションといわれるとどこまでが本当かが確かにわからないのだが、実在した韓国工作員の北朝鮮潜入映画。

ナンパなスパイ映画にありがちなバトルとかなんて皆無で、ゴリゴリの政治映画。国のために人生全てを捧げ尽くす工作員に、ヒリヒリとした焦燥感と共に胸が熱くなる。
たかが20年くらい前にこんなことがあったなら、今も水面下ではこういう話があるのではと考えるとそら恐ろしくなる。

すさまじく知識欲をくすぐられる上に、韓国流の騙し、裏切りや信頼のグラグラ展開も極めて絶妙で、映画の出来はすさまじく良い。日本では何十年たとうがこのような映画は作れないだろうという感じ。

ノワールとか抗争みたいな派手さはなく、繰り広げられるのは頭脳戦みたいな映画なので、画面的派手さを求めていけばつまらなく感じるかもしれないが、この映画の本質は全くもってそんなところではないので、極めて良くできた政治劇と思って鑑賞すると、涙が出るくらい良い映画だと感じるはずだ。
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