本作と全く関係ないですが。
SW9作目の邦題は「スカイウォーカーの夜明け」に決定したんだって。ダサすぎて泡吹きそう。
英語でいいのに!
カタカナでいいのに!!
僕のSWは1〜7とローグ・ワンで終わりました。
気を取り直してレビューを。
高校生の青春物語なんて、ただでさえチクチク心が痛むのに。サイモンの心はどんなに痛んだのだろう。
チクチクなんてものじゃない。
ナイフで八つ裂きにされ、傷だらけの心を学校中で晒し者にされてしまった痛み。
マイノリティとして生きる人間の心情を、高校生というまだ若い世代でありながらリアルに描き出した青春劇。
ジョージア州アトランタ。高校生のサイモン・スピアー(ニック・ロビンソン)は、同性愛者である事を隠しながら"平凡に'生きていた。ネット上でブルーと名乗る人物が、同じ高校に通う同性愛者であると気付いたサイモンはジャックという偽名で彼とメールのやり取りを始める。
サイモン!
大人びているし、お家ではいいお兄ちゃんだし、人生のトップ・シークレットを隠し通す覚悟もあっただろうに!
でも!
ツメがあまーーーーい!!
学校の図書館のPCでブルーとやり取りしちゃダメだよっ!!
よりにもよってクセが強めのうざキャラであるマーティンに、彼の秘密は知られてしまう。
もう、辛かった。
何故LGBTの人間だけがカミングアウトしなければいけないのか、という彼の言葉が胸に刺さる。
いつ、誰に、come outするのも僕の自由だ!
君はそれを奪った!!
LGBTの人達にここまで寄り添った台詞があるだろうか。
誰が誰を好きとか。
結婚するのかとかしないとか。
孫の顔を見たいとか。
もう、そういうの、やめません?
それぞれが決めた生き方があって、話したい時は本人が話すから。詮索するのも、マジョリティに当て嵌めて語るのも、やめませんか?
異性愛者でも、同性愛者でも、この世の生き難さを感じてしまうのは、他人の秘密を暴こうとするハイエナみたいな周りの人間の所為でしかない。
辛い現実でありながら、親とも向き合い、
僕はこれからも僕のままだよ
あなたはこれからもあなたのままよ
という言葉を交わし合えた事も、
全てを乗り越えたラストの展開も素晴らしい。
殊の外丁寧にストーリーを運ばせている事が、作り手側の誠意と受け取りました。
日本はまだまだだろうなと思わざるを得ない。
でも、全てを越えてハッピーエンドに漕ぎ着けた事が、何よりこの映画の功績だと思う。
今話題の「X-MEN ダーク・フェニックス」で若かりしストームを演じたアレクサンドラ・シップも好演。