蛇らい

プーと大人になった僕の蛇らいのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.4
プーさんと仲間たちの存在を、物語の中でどういった位置付けとして考えるかで、評価が変わってくると思う。

個人的に、プーさんたちはクリストファー・ロビンの心情だったり、精神面だったりとシンクロするような存在+「何もしない」をできていたから出会えた存在という位置付けにしていた。
なので、映画でプーさんたちが、100エーカーの森を抜け出すことができてしまうこと、そしてクリストファー・ロビン以外の人物もプーさんたちを認知できてしまうことに、えっ?それってありなの?と少し引っ掛かってしまった。「100エーカーの森」=「自分自身の精神的な世界」という式があるとすれば、物語としてきれいな構図が崩壊している気がした。「何もしない」をしていた頃のクリストファー・ロビンだけが行き来できていたのだから、大人になって「何もしない」をできなくなったクリストファー・ロビンが、もう一度「何もしない」を思い出したときに、100エーカーの森に繋がって、プーさんたちとまた再開してほしかった。

よかったのは、プーさんとクリストファー・ロビンの最後の約束、『「何もしない」を忘れないで』を、プーさんが忘れず、忘れてしまったクリストファー・ロビンに対し、思い出して!とメッセージを送り続ける姿がとても愛しかった。風船を持ってるだけで幸せな気分になるとか、そこに友達はいる?とか、会話の中でさりげなく諭していく。プーさんはクリストファー・ロビンが大人になってもプーさんのままであり続ける。いつでもここにいるよと言ってくれている気がして泣きそうになった。最後にあの約束をした時にプーさんはいつも通り能天気な受け答えをしていたけど、心の中に大切に約束をしまっていたのかと思うと…。

アニメ版のプーさんが好きな人は、吹き替えで観たほうがいいと思う。推しはやっぱりティガー。かわいすぎ。
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