原作があるようですが、原作はホラーとして書かれているのか、ミステリーとして書かれているのか、または文芸作品として書かれているのか、目的がよく分からない作品でした。
第二次世界大戦後のイギリスの貴族の没落の様子が描かれているのですが、庶民の出ながら今は医師になっているファラデーは、
子供の頃から憧れていたエアーズ家に診察で入る事が出来るようになる。
そして、戦闘機の墜落で大怪我を負った息子や、娘キャロラインの信頼を得るようになり、やがてファラデーとキャロラインは互いに惹かれ合うようになるのだが…、という展開。
奥ゆかしい英国紳士と没落貴族の元お嬢様との、なかなか進展しない恋の話かと思ったんですよ。
どっちかと言えば、もうその方面で最後まで展開してくれた方が良かったと思うのですが、
途中から急に風向きが変わってしまうんです。
この転換が唐突で、話にオチも決着もついていない為、なんのためにこういう話に変えたの？と言いたくなるくらいで…。
ファラデーの口下手で奥ゆかしい様子を、上手く赤毛のドーナル・グリーソンが演じていたので、最後まで恋愛話で進んでいかなかったのが勿体なく思いました。
