バナバナ

正欲のバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

こりゃまた、性欲というかフェチのお話ですね。

本作の中では、桐生夏月(新垣結衣)、佐々木佳道(磯村勇斗)の中学生の同級生ペアと、
諸橋大也(佐藤寛太)、神戸八重子(東野絢香)の大学生ペア、
あと、検事である寺井啓喜(稲垣吾郎)の家族…、
と3組が出てきます。
オムニバスなのかと思ったら、後半交差してきます。

寺井の小学生の息子は不登校で妻は息子のことを心配しているが、寺井の共感力がかなり低く、また子育てを他人事の様な態度で妻にワンオペ育児させているので、家庭内はギクシャクしている。
そんな中、息子が同じフリースクールに通っている子供と一緒にYoutubeを始める。
…ちょっと待て。確かに寺井が共感力低すぎて、奥さんがイライラするのは分かるが、寺井の職業は検事である。
子供がYouTuberになって顔出しするなんて、検事や警察官の子供は無理でしょ。
逆恨みでお礼参りとか、誘拐とか本当に有り得ると思うから、許可する人なんて絶対居ないと思うよ。

大学生の八重子はパニック障害持ちだが、大学のダンスサークルに入っている諸橋に惹かれる。しかし、この諸橋がかなりの人嫌いで…。
…って、これも、ダンスサークルでセンターで踊る様な子に、こんな性格の子がいるのだろうか?
人前でダンスを踊って見せるということは、それだけで“承認欲求”という一つの欲は満たされる訳だから、ここまで殻に閉じ籠ってる人って居る?と思ってしまった。

そしてガッキーと磯村くんペア。
私は夏月は中学生の頃から佐々木のことを好きなのだろうと思っていたが、自分と同じ人種だから…ということで惹かれていた様です。
佐々木のプロポーズも「この世界で生きていくために手を組みませんか」って、ちょっと笑える。
こんな同じ嗜好を持つ者同士が世間を欺くために一緒になるって、出会えただけで、もはや奇跡やん。
それに夏月、疑似SEXなんて嫌いだったら絶対に出来ないから、やはり夏月は佐々木のことを愛していると思うよ。
普通の新婚カップルと思われた時の夏紀の嬉しそうな顔。
やはりガッキーは笑顔の方が美しい。

こういう“水フェチ”なる嗜好の人が、本当に以外と多いのかは知らないが(泳ぎたいのとはまた違うんですね)、奇跡の夏月と佐々木のペアが完成したことにより自信を持った佐々木は、ネットで同じ嗜好の人を見つけ、オフ会を開くが…。

これ、水フェチは全く害は無いと思うのだが、もしYouTubeで遊んでる映像を流したら「公園の水道で大の大人が勝手に遊びやがって、税金の無駄遣いだ! 迷惑千万だ!」と結局炎上するんだろうな(汗)。
寺井なんかは検事として日々犯罪と向き合ってるし、頭固いから猶更というか…。
でもあれ以上の証拠は出てこない筈だから、絶対不起訴になると思うけどね。
佐々木には夏月という味方が傍に居てくれてよかったと思うよ。

諸橋くんは“水フェチ”として、今後は地下に潜るのだろうか。
なんか“鉄っちゃん”より大変なのね、水フェチって…。
ただ水が好きなだけなのに、むっちゃ迫害されてるな。

という事で、なんでこの人達がこんなに苦労しなあかんの?
ただ英気を養うのに水で遊びたいだけなのに…という不思議な作品でした。
バナバナ

バナバナ