バナバナ

隣人X 疑惑の彼女のバナバナのレビュー・感想・評価

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)
3.5
もう一昔前の方が、週刊誌やマスコミの人権侵害って一般人に対しても酷かったけど、昨今の風潮に物申したい作品なんでしょうね。

笹は元々は新聞記者になりたかったが、両親も無く、大学も出ていないので、今は週刊誌にフリーで雇われている記者だ。
現在地球はアメリカが音頭を取り、異星人難民の地球亡命を受け入れている。日本にも異星人Xは日本人に成りすまして暮らしている。
笹は週刊誌から「日本に暮らしているXを暴け」との指示を受け、尾行する担当二人をあてがわれるのだった…。

この二人が、一人は台湾から来たまだ若い留学生女性リン・イレンと、上野樹里が演じる柏木良子。
柏木良子は国立大学を出ながら、今は36歳でバイトを掛け持ちして一人暮らしをしている。
誰とも接触せずに慎ましく暮らしている彼女を見て、笹はまず彼女にXの目星をつけ、接触を図る…。

この柏木良子が年齢だけでなく、中身も大人だった。
今正社員ではなくバイト暮らしなのも、凄く繊細な人だからなんだろうなと思った。
もし彼女の様な目に遭ったら、一生人間が怖くて二度と立ち直れないのではないかと思うのだが、彼女は今回の事件で、家族のわだかまりを超え、和解することが出来たことを喜んでいる様にも見える。
マイナスな事からプラスも見出せる人なのだ。

映画の中では、X容疑者のリン・イレンとも同じバイト先だったが、まだ日本語が不自由な彼女をさり気なくフォローする優しい同僚で、凄く素敵な人物だった。
こういう人物になるのが理想ですね。

映画としては、昨今の正義を振りかざして集団で突き上げてくる怖さや、外国人排斥を描いている感じでした。
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