まぬ子

ミッシングのまぬ子のレビュー・感想・評価

ミッシング(1982年製作の映画)
3.6
ギリシャの社会派映画監督コスタ・ガヴラス。
ギリシャ出身の友人が猛烈にプッシュしてた監督なんだが、他の作品が全然流通してねぇ笑。そしてようやく見つけた一本。

チリで起きた軍事クーデターに巻き込まれ、行方不明となったアメリカ人青年をめぐる実話を基にしたお話。
彼の消息を追ううちに、ずさんな口先対応だけの大使館、そして軍事クーデターの悲惨な暗部が明らかになっていく。

TPOをわきまえず無遠慮に飛び込んでくる銃撃音に毎度ビクビクさせられる。
死体の山、山、そして見上げれば天井の磨りガラスに見える死体の影。あまりにショッキングな状況に、言葉は出てこない。
しかし、こんなにシリアスな問題を扱ってるのにもかかわらずとても見やすかったと思う。

出国の時に発する「この国の金は残したくない」の一言にすべてが詰まってる。

「それはあなたの自由です」
「これは権利だ」

# 62/2019
まぬ子

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