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ある少年の告白のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

狂いすぎてファンタジーかと思った施設の話が実際にあったことだとは…。”罪”とか”治す”とか、何をもって?と思う。自然現象なんだから治すものではない。
思春期に浴びた体験や言葉って良くも悪くも一生の傷になるし、子供のためと思ってやってることが親自身のためになってることって割とあると思う。家族である前に一人ひとりの人間であるということが、家族ゆえ近いからこそ受け入れ難い感じがあるときがある。血縁者が自分と正反対のパーソナルであることが怖いと思ってるのかな。意外と家族だからこそコミュニケーション不足になるし、通じ合っていて自分と同じ感覚なんだと信じて疑わないよね。

あと彼がゲイであることとレイプをされたのは別問題。セクシャリティが似てるからといって気持ちが良いわけではないし泥棒だって詐欺師だっているということ。
レイプシーンはキツいけどその他の段階は色々細かく説明しすぎずにセリフや表情でうまく表現していたし、狂った施設や親との葛藤に注力されていた構成が良かった。父がクライマックスで「孫を抱けないことが残念」とか言ってたけど別に男女のセックスに拘らなければ抱けるしね?と思う。

mid90sで荒々しい兄役だったルーカス・ヘッジズが誠実で繊細な青年を演じていてギャップに驚いた。グザヴィエ・ドランとかトロイシヴァンとか脇役も豪華。
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