無学

暁に祈れの無学のレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
5.0
陳腐な言い方ではあるものの
"壮絶"。
他に適当な言葉がみつからない。

"激烈"と一言で評した「あゝ、荒野」の場合は、抑制を知らないエネルギーの内圧上昇、その沸点と放熱までを、「生、性、正、成」=「せい」のアドレセンスとして構築的に描いているが、
実話ベースの本作における主人公ビリーが、いまこの瞬間の肉体的・精神的苦痛を取り除くことのみに執着する姿は、現世の「蜘蛛の糸」であり、とにかく恐ろしい。
彼が元々ファイターであったことが、この地獄での自らの存在の肯定と証明をするための唯一の手段であり、救い。

寄りで撮った試合のシーンは、引きの画もいれてくれたら「観戦」出来たのに。。。

BGMは、最低限の効果音のみで、過度な演出を省いた作り方が見事。
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