にく

がっこうぐらし!のにくのレビュー・感想・評価

がっこうぐらし!(2018年製作の映画)
1.0
漫画が少年雑誌、次いで少女雑誌という明治時代以降に成立した少年少女別の出版・流通・販売経路の上に成り立ってきたことを鑑みれば、「学校」を舞台とする漫画がゴマンと存在するのも道理だ。しかし「学校」は、なにも恋愛や部活動の場としてあるばかりでなく、むしろ抑圧や疎外の場としてあるわけで、昨今の学園ゾンビもののーー漫画にとどまらないメディアミックス的ーー展開は、そういった磁場で涵養されているように思われる。
 学校になじめず保健室に集う女子高生らにとって、同調圧力にいとも簡単に屈しているように見える周囲の生徒たちは、あわよくば自分たちをも仲間に引き込もうとする、ゾンビにも等しい存在である。
 しかし、そろそろそういうのにも飽きた。引きこもりとか女子高生とかヤクザとか漫画家が主役でない、まっとうな社会批判的視点をもった和製ゾンビ作品を見たいものである。
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