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サバイバーズのesのネタバレレビュー・内容・結末

サバイバーズ(2012年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

間違って続編から観てしまったけれど、前日譚として楽しめた。寧ろキャラクターが分かっているぶん、続編から観て正解だったかもしれない。

ストーリーとしてはミリタリー物の迫力などを期待して観ると弱いけれどキャラクター描写は上手い監督だと思う。
トルコ国内に於ける軍の立ち位置や、PKKなどある程度の背景が分かっていた方が楽しめる。そしてPKKによるクルド人の蜂起が始まった1984年から2012年に至るまでの戦死者の名前を連ねたエンドロールが印象的だった。

トルコは皆兵制だけれど、大学に行くと兵役を遅らせられる上に任期が短くなる。2012年当時はまだ東側の一部の地域の睨み合いレベルだったので職業軍人ではない者が危険な場所に送られる事はほぼ無かったけれど、ISILの勢力拡大以降は若者である程危険な場所に送られるようになった為に大学に進学したり海外赴任で兵役を遅らせたり、お金を払い免状する富裕層が増えた。貧しい若者が戦死し、裕福な人間は逃れられるという事態が問題視され現在では経済的兵役免除は行われてはいないらしい。

まだISILによるテロ行動が活発になる前に作られた1作目と、ISILの勢力が拡大し戦況が深刻化した上にクーデター未遂が起き国軍に対しての不信感が増した後に作られた2作目との落差が事態の深刻化をよく表していると思う。標的の移り変わり、政権交代による国軍の描き方の変化など2作併せて観ると考えさせられる。
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