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マッドマックス:フュリオサのesのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます


イモータンはプーチン、ディメンタスはドナルド・トランプのようなものだと思いながら見ると面白い。
前者は自分が属する集団と血族の繁栄の為に合理的判断を下しながら長期的視点で国家を築く。後者はカリスマ性と雄弁さから集団のリーダーに立ちながらも全て自分の利益の為に行動する。だから集団としてみれば短絡的且つ矛盾しているが個人の利益という点で捉えれば非常にシンプルで合理的。

前日譚というのは余白を埋める行為なので、物語の厚みを増すけれど、鑑賞者が想像で埋めるスペースを狭める事にも繋がる。
今回気になったのはフュリオサがディメンタスに発する"Remember me"とイモータンに発する"Remember me"の意味合い。前作のみであれば描かれないフュリオサの過去に思いを馳せることのできる言葉となっていたが、ディメンタスの出現で話が変わった。
スクリプトにも日本語字幕にも語尾に疑問符が付けられていることに目を瞑り、改めて好意的に捉え直してみた。
今作でディメンタスに発するのは疑問符有りの" Remember me? "で間違いない。ただ前作での" Remember me "は、ウォーボーイズが叫ぶ" Witness me! "に近い意味合いであることを強調したかったのだと思った。ディメンタスに対するフュリオサの処刑は私怨によるものだが、イモータンに対するそれはイモータンの妻達や死んでいったウォーボーイズの声を届けるための代弁者としての役割を持っている事を明確にしたかったのかもしれないと考えた。実際のところはよく分からないが。


前作の時のように一部の界隈に「何も考えずに見ることのできる映画」とは言わせない、という強い思いを感じた。
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