Shiro

欲望のShiroのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.3
「blowup=拡大=欲望」
邦題がとても良いと思う。この映画に出てくる誰もが満たされていなくて、別の所に行きたいと思っている。主人公も労働者階級の人を写した写真を売り込んだり、骨董屋の女の子も、ネパールとモロッコの区別もついていないが遠くに行きたいと思っている。急にプロペラが欲しくなったり、彼の欲望すら幻想である。コンサートで、みんな直立不動。ギターネックも外に出るとただのゴミになる。公園の女を振り切って奪ってきたから、写真に彼の欲望が投影された。ネガを引き延ばすとロールシャッハテストみたいに見える。テニスのパントマイムで、真実とは何なのかを考えさせられる。最後に、実際にはないテニスボールの音が虚空響く。 
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