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欲望のtheocatsのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.7
ネタバレかもしれないのでご注意






なんちゅう訳の分からん映画!! しかし惹きつける力があるということなのか最後まで集中せざるを得なかった。

「これは脈絡のない夢のようなドラマなのかもしれないな・・」と途中から思い始め、エンドとなってすぐ冒頭をリピートし、やはり「ある冴えない工場従業員の深層意識に潜む〈憧れ〉」を描いた物と理解。まぁ勘違いかもしれないけれど。

しかし、「売れっ子カメラマンがミステリーサスペンスに巻き込まれ、イリュージョンめいた展開に翻弄されていく」という状況設定は、実際に自身の夢世界で似たような経験をしているので、本作品に対しても「不思議な共感」を感じたのは間違いないところ。

これもまた一つの芸術映画であり、価値ある視聴経験でした。
感謝

残るアントニオーニ監督作品も早急に見てみたい

追記
映像特典のアントニオーニ研究科解説バージョンで再視聴したところ、自分の解釈はやはりあやまり。「貧乏な若者のあこがれ」ではなく、最初の場面は貧民者が住まう安宿での撮影をするために、故意に汚い格好で潜入撮影をしていたということ。
その後のすじの脈絡もちゃんとあると教えてもらったのは良かった。
しかし、最初と最後に現れるアホな若者グループは「異次元世界」を示唆するパーツのように思えなくもなく、「夢物語」という戦は消えずに残っている。
とはいえ、上の研究家の解説も陳腐と感じる箇所もあるし、本作品を論理的に丸裸に出来ているという印象はなかった。それだけ様々な解釈の余地がある映画ということなのだろう。
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