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未来のミライのまるまるのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.8
熱い(暑いなんてもんじゃない)のと忙しいので、映画を観る気力すら湧かなかった今日この頃。
ぃやっと、この映画観れたw
よかったよかった。

細田守監督。
この監督は自分の実生活の中で感じたアレコレを映画という形にして残したがる監督なんだと勝手に思ってるのですが、言うなれば私小説ならぬ私映画?
また、その手の映画かよーと思って観てた冒頭。
ヒット作飛ばした実績のある監督は、ほんとやりたい放題ですねー。
キライじゃないですw

「おおかみこどもの雨と雪」では、亡くなった母への「母さんゴメン。ほんとありがとう」って気持ち。
「バケモノの子」では、生まれたばかりの息子への気の早すぎる遺書w
を、それぞれ映画にしたものだと、僕は思ってるのですが、
この映画では、育児に悪戦苦闘してる監督の魂の繰り言だと思って観てましたw

小さな子どもには、言葉で言おうが伝わるはずもなくw
なだめすかしたり、叱ったりで、そのココロまでは伝わらない。
叱ったら叱ったで自分が落ち込んだり、少しささくれ立ったりの夫婦関係な日々のなか、監督の生んだ妄想を形にしたのが、この映画なんじゃないかなぁと。
あの不思議な中庭に次々に出てくる超強力育児ヘルパー。
こんなヘルパーがマジ欲しい!って監督の絶叫が聞こえて来たw
あの辺の所が、監督が自分の子供たち(映画とちょうど同じ年くらいの息子と娘)へ、本当に伝えたいことなんだろうなぁと思いました。
お前たちは一人じゃないんだよと。
代を経て連綿と続いたステキな偶然とドラマの末、お前たちは今ここにいるんだよと。


大人向けの童話として観たらけっこう面白かったです。
うろ覚えなので、何か間違ってるかもしれませんが、
けっこう前に、武田鉄矢がラジオ「朝の三枚おろし」で、童話の効能みたいな話をしてて、人間は、これまで会った事のない出来事に遭遇した時、対処しようがない生き物であると。
なので小さな子供が、怖い目とか、危険に遭遇したとか、いじめとか、予め体験してないと対処のしようがない。
そこで役に立つのが童話とか、獅子舞にガブリと噛まれる神事とかで、
予めそういう難事に対する心構えをつくる効能があるんだよーみたいなことを言ってました。
小さい子供にこの映画を見せたところでポカーンとするかもしれませんが、そういうワクチン的な効能を期待して子供に見せとくのもいいかもよと。
「なまはげ」に代わる、複雑な現代の子育てツール「未来のミライ」
…とりあえず適当な事言ってみましたw


くんちゃんが大冒険の末に得たものは、地味でステキなラスト。
幸せな気分で映画館を後にしましたー(^^)/

…が!やっぱりこの監督にはエンタメ8割な映画を作って欲しい!
サマーウォーズ2なんてどうでしょうか?
もしくは、本当はこうなるはずだったハウルの動く城でもいいです。
よろしくお願いしまー(略)




令和元年7月12日
金曜ロードショーで再鑑賞。
やっぱ面白いじゃんこれw
子育て家族のファンタジー。
とことん家族のファンタジーw
噛めば噛むほど味が出る?

「地平線。見えるかい?」
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